今、欧州を中心にペップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップをトップの座から引きずり下ろそうと、最新鋭の理論を武装した「青年監督」たちが虎視眈々と牙を研いでいる。
フットボールの未来を担うユリアン・ナーゲルスマン(RBライプツィヒ監督)とぺパイン・ラインダース(リヴァプールアシスタントコーチ)を筆頭に、現在のトップ監督を蹴落としていくモダンフットボールの申し子たちを一挙に収録。
思考、ゲームモデル、相関図、将来像などを紐解きながら、近未来のフットボール界を牛耳る監督を占う。
はじめに
1章 青年監督の成功譚
2章 未来を担う二大巨頭
ユリアン・ナーゲルスマン 青年監督の先頭を走るポジションレスフットボールの権化
ペパイン・ラインダース カオスさえも自由自在に操るクロップの影武者
コラムi 指導者たちに再注目されるブリテン諸島
コラムii 青年監督を支えるポジショナルプレー
コラムiii 需要が高まる個人指導のスぺシャリスト
3章 プレミアリーグ
ミケル・アルテタ ポジショナルプレーを柔軟に再解釈する「ザ監督」
イアン・キャスロ 決して哲学を曲げようとしない育成の発明家
スティーヴン・ジェラード リヴァプールの価値観を知るリーダーオブリーダー
ジョアン・サクラメント モウリーニョが強奪した「ネクストスペシャルワン」
フランク・ランパード 若手の用兵術を武器に再出発を期すチェルシーのレジェンド
ジョルト・ロー 世界的名手をチームプレーヤーに導くマンマネジメントの達人
クリス・デーヴィス 智将ロジャースが絶対的な信頼を置く分析マスター
ダヴィデ・アンチェロッティ 尊敬する偉大な父の背中を追う物静かな努力家
4章 リーガ・エスパニョーラ
シャビ 凱旋の時を見極めるバルセロナ最後の希望
ラウル・ゴンサレス 白い巨人の複雑な権力構造に耐えうるカリスマ
ディエゴ・マルティネス [4-2-3-1]を巧みにを操るグラナダのメシア
アルフレト・スロイデル バルセロナの哲学に適合する「従順な騎士」
シャビ・アロンソ 様々なオプションを用意する柔軟すぎる将軍
5章 ブンデスリーガ
マルコ・ローゼ 宝石ハーランドを授かった昇竜のプレッシングマスター
ペッレグリーノ・マタラッツォ ナーゲルスマンを驚かす「数的フットボール」を駆使するインテリ
レネ・マリッチ 戦術ブロガーから成り上がった欧州最先端の分析家
モリッツ・フォルツ ナーゲルスマンに足りない「経験」を補完する存在
ダニー・レール 欧州王者で腕を磨く「RB流プレッシング」の宣教師
ティム・ヴァルター 革命的ビルドアップ戦術を発案したドイツの奇才
ミロスラフ・クローゼ 教育に重きを置く「QUIETONE」
マルセル・ダウム レヴァークーゼンを支えるドイツ最高峰の天才アナリスト
コラムIV ドイツが誇る欧州最高峰の指導者教育
6章 セリエA
シモーネ・インザーギ 再生マネジメントを得意とする[3-5-2]の使い手
アンドレア・ピルロ オーソドックスなモダンフットボール信者
ジェンナーロ・ガットゥーゾ バランス感覚が本領の「番犬メンタリスト」
コラムV 世代交代が進まない戦術の国イタリア
7章 欧州その他・南米
ジョン・ケネディ 「セルティックのあるべき姿」を追い求める不屈の男
ジェシー・マーズチ [4-2-2-2]と「サルの原理」を重要視する米国の象徴
ダニー・バイス 実利的なアプローチで勝利を求める「オランダのシメオネ」
セバスティアーノ・ポチェッティーノ 父をも圧倒する現代理論を持つフィジカルのスペシャリスト
ティエリ・アンリ 自らの「ベース」を探すヴェンゲルが寵愛した弟子
パトリック・ヴィエラ さらなる変化を追い求めるCFGの有望株
ショーン・マロニー 現実的なアプローチを好むマルティネスの右腕
エルナン・クレスポ 「横移動の崩し」を得意とする開花間近の苦労人
マルセロ・ガジャルド リーベルに統一モデルを設定した南米最高の若手監督
ガブリエル・エインセ リベロシステムを復権させたビエルサの正統後継者
おわりに