おうちでご飯を食べる機会が増える一方で、気になってくるのが子どもの食べているものの栄養バランス。
外で遊べる機会も減っているし、食べものでしっかり免疫力も高めてほしいところです。
とはいえ、子どもの好き嫌いはなかなかやっかいです。本書では栄養素を"ヒーロー"キャラにして解説することで、親しみやすく、そして楽しみながら理解してもらえるように作っています。
こどもの栄養学の先生が監修していますので、正しい知識が学べます。
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「好き嫌いをしていたら大きくなれないよ」
みなさんは食事をするとき、お父さんやお母さんからこんなことを言われたことはありませんか?嫌いなものは食べたくない、好きなものだけを食べたいという気持ちはわかります。
でも、好きだからといって、同じようなものばかりを食べ続けることは、からだによくないことなんです。
わたしたちが生きていく上で、食く事は欠かせませんよね? その理由は、食材に含まれる「栄養素」が、体にとってとても大切だからです。
たとえば、お肉やお魚などに多く含まれている「たんぱく質」は、わたしたちの筋肉や皮ふ、内臓、爪など、体のあらゆる部分をつくってくれています。でも、たんぱく質だけでは上手に体の一部になることができません。
じつは「ビタミンB₆」や「ナイアシン」などの別の栄養素の力を借りる必要があるのです。
ほかにも、からだを動かすエネルギー源となる「脂質」をエネルギーに変えるためには「ビタミンB₂」、骨や歯をつくる「カルシウム」をからだのすみずみまで運ぶためには「ビタミンD」など、たくさんの栄養素が協力しあっています。
だから、いろいろな栄養素をからだの中にとりいれるために、いろいろな食材を好き嫌いせずにバランスよく食べることが重要なのです。
この本では、そんな栄養素をヒーローたちにたとえ、どのような働きをしているかをわかりやすく紹介しています。
「わたしたちのからだの中では、小さな栄養素ヒーローたちががんばっている! 」と想像すると、なんだかワクワクしてきませんか?
彼ら栄養素ヒーローたちの活躍を学ぶことで、みなさんの毎日の食事が楽しくなり、健康で元気に生活できるようになると嬉しいです。
東京家政大学家政学部栄養学科
東京家政大学短期大学部栄養科教授 土屋京子
(はじめにより)