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『史記』と異なる謎多き人物像 始皇帝研究の最前線 新常識を完全解説
本書は、近年の出土史料から『史記』の記述をどのように補正できるのかに挑戦したものです。
司馬遷の記述は、秦の時代の史料に忠実に書かれている部分もあれば、出土史料と矛盾し、修正しなければならない伝説部分も見られるのです。
出土簡牘(かんとく)に始皇帝の年代の史料が出てくれば、該当する『史記』の基本史料と照合しながら、事実を補正できます。
その補正部分が本書でいう新説です。その補正作業は出土史料が激増しつつある現在では、絶え間なく続くものであり、それがまた始皇帝研究の面白さであろうと考えています。
あえていうならば、現在の私たちは『史記』の記述よりも始皇帝の時代の真実に近づいています。
鶴間和幸
(本書「はじめに」より抜粋)
2022/11/22